【零の技法】口呼吸はNG!? 鼻呼吸の驚くベきメリットとは?

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鼻呼吸? それとも口呼吸?

あなたは今、どこで呼吸していますか? 鼻呼吸でしょうか? それとも口呼吸でしょうか?

私たちの身体の空気の入口は、鼻と口の2つがあり、それぞれ「鼻呼吸」と「口呼吸」と呼ばれています。これら2つの呼吸の違いや、私たちの身心への影響については、知っておきたいところです。

ヨーガの呼吸法では一部の特殊なものを除いて、鼻での呼吸が大前提となっています。それはいったいなぜでしょうか?

深掘りしていくと、鼻が単なる空気の通り道ではなく、とても重要な器官であることがわかってきます。それでは本記事で詳しく解説していきます。

鼻の2つの役割と3つの機能とは?

鼻は2つの主要な役割を果たしています。1つは「嗅覚」であり、もう1つは「呼吸」です。特に私達の生命維持にとって重要なのが「呼吸」です。さらに鼻呼吸は以下の重要な3つの機能を担っています。

1.フィルター機能:鼻腔内の粘膜や繊毛が、空気中のほこりや花粉、細菌、ウイルスなどの有害物質を取り除きます。これによって感染症の予防や健康の維持に寄与します。

2.加湿機能:乾燥した空気を吸う際に、鼻は適切な湿度を保つための役割を果たし、気道や肺を保護します。

3.加温(あたため)機能:寒い外気を吸い込んだ際に、鼻は空気を温める役割を果たし、気道や肺を守ります。

一方で、口はこれらの機能を持っていません。そのため、口呼吸をすると、有害物質が簡単に体内に入り、感染症やアレルギーのリスクが高まるのです。

頭や自律神経にも良い影響を及ぼす鼻呼吸

鼻呼吸は頭にも良い影響を与えていることがわかっています。鼻づまりによって鼻呼吸ができなくなり、「頭がぼーっとする」「集中力が続かない」という辛い経験は誰しもあるかと思います。

現代科学では、左鼻での呼吸によって右脳が活性化することがわかっています。右脳は想像力などを司るとされます。そして右鼻での呼吸によって左脳が活性化するのです。左脳は論理的思考を司るとされます。

ヨーガの世界では、私達の身体には生命エネルギーが流れる七万二千もの気道があると言われています。この中で特に左のイダー、右のピンガラー、中央のスシュムナーの3つが重要視されます。

現代科学に当てはめると、自律神経の精妙な形がイダーとピンガラーだと言えるでしょう。

◆イダーの別名は「月の気道」:副交感神経の精妙な形で、左鼻腔が入り口になっています。

◆ピンガラーの別名は「太陽の気道」:交感神経の精妙な形で、右鼻腔が入り口になっています。

それぞれが背骨の左右を下り、基底部で中央のスシュムナーと結ばれます。

ヨーガの呼吸法の中には、

◆片鼻交互に呼吸して自律神経を整える【参の呼吸法】スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマや、

◆速く強い出入息を繰り返すことで頭をクリアにしていく【六の呼吸法】カパーラヴァーティ浄化呼吸法などがあります。

いずれも鼻呼吸の特長を最大限に活かしたものです。

口呼吸のやばい5つのデメリットとは?

それでは、口呼吸の方を見てみましょう。口呼吸は健康にむしろ悪い影響を及ぼす可能性があります。

1.風邪をひきやすくなる

先程述べたように、口には鼻に備わっているフィルターや加湿、加温の機能が欠如しています。そのため、口呼吸をすると有害物質の体内への侵入を簡単に許し、風邪や感染症、アレルギーなどに罹るリスクが高まります。

2.ポカン顔になる

また、口呼吸が続くと、顔の筋肉が弱くなり、唇周りの筋肉も衰えてしまいます。これによりポカンと口が開いてしまい、美容的にもマイナスになります。

3.滑舌が悪くなる

更に、口呼吸は舌の位置を下げ、舌根が喉の奥に移動するようになり、滑舌の悪化や声の質の低下をもたらします。

4.睡眠の妨げになる

はたまた、夜間に口呼吸をすることで、舌根が沈下して気道を狭め、いびき無呼吸が発生する可能性があります。これは血中酸素の深刻な低下を招き、健康問題を引き起こすリスクを高めるのです。

5.口臭や虫歯の原因となる

口呼吸をすると口腔内が乾燥しやすく、口臭や虫歯のリスクが高まります。

いかがでしょうか? 2つの呼吸を比較すると、鼻呼吸の圧倒的な優位性が浮き彫りになってきたのではないでしょうか。

口は食事を取り込むための器官なのです。あるいは口は話をするための器官なのです。空気の取り込みはあくまでも補助的なのです。

それならば、なぜ口呼吸をしてしまうのか?

それではなぜ、私達は口呼吸をしてしまうのでしょうか?それには3つの主な要因が考えられます。

1. 激しい運動: 激しい運動をすると、酸素需要が増加し、口呼吸に切り替わります。しかし、これは限定的ですので問題ないかと思います。

2. マスク生活: 近年の新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、マスクを着用する機会が増え、口呼吸をする人々も増加しました。マスクの着用によって物理的に鼻の穴が塞がり、鼻呼吸が難しくなることがあります。

また、マスクで口元が隠され(他者の目にさらされないために)、口がゆるみ口呼吸になるという心理的な理由もあります。マスクによる口のゆるみ、口呼吸は決して侮れませんので、くれぐれもご注意いただきたいです。

3. 鼻づまり: 要チェックは鼻づまりです。鼻の通りが悪くなると、当然ながら口呼吸に切り替わってしまいます。この鼻づまりを3つのケースに分類してみましょう。

A. 風邪をひいたときなどに生じる急性の鼻づまり: このケースでは時間の経過とともに鼻づまりも解消されるでしょう。

B. 長期間続く慢性の鼻づまり: 鼻中隔が極端に左右どちらかに曲がっていたり(鼻中隔弯曲症)、下鼻甲介が肥大している場合、慢性副鼻腔炎で鼻の中に鼻茸(ポリープ)ができている場合などが挙げられます。この場合は速やかに、医師の診断を受けるようにしてください。

C. 軽度の鼻詰まり: 風邪やアレルギーなどが原因となることが多いです。鼻詰まりが軽度であれば、以下の方法を試してみることが有効です。

軽度の鼻詰まりを解消し、鼻呼吸に変える方法3選

軽度の鼻詰まりを解消する方法3選

とりあえず鼻をかみましょう。鼻づまりを感じたら、鼻をかむことで鼻腔内の粘液や異物を取り除くことができ、通りが良くなることがあります。それでダメなら以下の対策を試してみます。

  1. 温める/蒸気を吸う:温かいシャワーを浴びるなどで鼻腔を温める、もしくは熱いお湯の蒸気を吸うことで、鼻の詰まりが緩和することがあります。
  2. 鼻と鼻周辺のマッサージ:鼻を中心に優しくマッサージすることで、鼻の通りが改善されることがあります。
  3. 【六の技法】ジャラネティ(鼻うがい):あたたかい生理食塩水を鼻の中に通すことで、鼻腔内の不純物を除去し、鼻の通りの改善を狙います。

口呼吸を鼻呼吸に変える方法3選

鼻づまりが改善されたら、口呼吸を鼻呼吸に切り替えていきましょう。そのために以下の方法が役立ちます。

  1. 鼻呼吸のメリットを知る: 鼻呼吸の健康へのメリット、口呼吸のデメリットを深く理解することで、口呼吸を止めて鼻呼吸を選ぶモチベーションが高まります。そのためにも本記事を繰り返し読むといいでしょう。
  2. 鼻呼吸を意識する: 「私は今、どこで呼吸しているのだろう? 鼻呼吸だろうか? それとも口呼吸だろうか?」一日に時間を置いて数回、あるいは十数回、自分自身に問いかけます。鼻呼吸ならばオッケー。しかし口呼吸ならば、意識的に深い鼻呼吸を数呼吸、繰り返します。
  3. ヨーガの呼吸法の実践: ヨーガ呼吸法のほとんどは、特殊な例を除いては鼻呼吸で行われます。ヨーガ呼吸法を実践することで鼻呼吸に慣れていきます。自然な鼻呼吸を促進できます。

呼吸法クイズ

最後にクイズを解いてみましょう。

問1:鼻呼吸が担う重要な機能を3つあげよ。

問2:就寝時にいびきや無呼吸が発生する要因は何か?

答えはまとめの章の末尾にあります。

まとめ

鼻呼吸は健康に良い影響を与えるためにも必須といえます。鼻のフィルターや加湿、加温の機能を通じて体内に有害物質を取り込まず、呼吸器を正常に保ちます。また、鼻呼吸は頭や自律神経にも良い影響を及ぼすことがわかっています。

一方で、口呼吸は健康に悪影響を及ぼすことがあります。有害物質の侵入や口周りの筋肉の弱化、いびきや無呼吸のリスクなどが挙げられます。

鼻づまりの解消や口呼吸から鼻呼吸への切り替えには、鼻洗浄や温める方法、ヨーガ呼吸法の実践などが効果的です。ただし、慢性的な鼻づまりの問題は専門医に相談することが大切です。

ヨーガの呼吸法は鼻呼吸が前提となっています。鼻呼吸の大切さを理解し、日常生活に取り入れてみることで、健康と心の安定を促進できることでしょう。ぜひ、鼻呼吸を意識して生活し、その良い影響を実感してみてください。

【答え】問1:フィルター機能、加湿機能、加温(あたため)機能。

問2:口呼吸することで、舌根が沈下して気道を狭めるため

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