実践! 丹田呼吸法
前回の記事『【仙人伝説】「丹」の神秘と「丹田呼吸法」』からの続編になります。
丹田呼吸法とは、丹田を意識しながら行う呼吸法のことを指します。非常にシンプルな定義です。そのため、具体的な丹田呼吸法の方法については、さまざまな指導者や書籍で異なる説明がされています。
その中には、方法やアプローチが真逆のものを指南しているものもあります。どの力の入れ方が良いのか、息を吐くときの方法など、多岐にわたる情報によって、どれが正しいのか混乱することもあるでしょう。
もし、すでに信頼できる指導者や組織のもとで丹田呼吸法を学んでいる方がいれば、そちらの方法を大切にし、継続して実践することをオススメします。
しかし、まだ具体的な方法を学んでいない方は、丹田呼吸法とは一口に言っても多様な技法があることを理解し、このブログで紹介される方法を試してみるのも良いでしょう。
さあ、これから、特にオススメしたい代表的な2つの実践方法をご紹介いたします。
【腹式呼吸上位版】丹田呼吸法
腹式呼吸の上位版としての丹田呼吸法について解説します。この方法では、丹田を意識し、下腹部をしっかり動かしながら呼吸を行います。
【腹式呼吸上位版】丹田呼吸法の実践方法
①両手を重ね、丹田の位置に置きます。手の平の中心にあるツボ『労宮』が丹田の位置にきます。
②息を吸い込みます。そのとき、丹田に気を納めるよう意識します。すると、下腹部が膨らみます。
② 息をできるだけ長く吐いていきます。このときも、丹田を意識することが大切です。下腹部が凹んでいきます。
これらを3分から10分程度繰り返します。
腹式呼吸では腹部全体を動かしますが、丹田呼吸法ではへそから下、下腹部だけに絞り、意識とエネルギーを丹田に集中させる点が特徴です。
【腹式呼吸上位版】丹田呼吸法の3つのポイント
ポイント1:慣れてくれば、手を放しても問題ありません。慣れると、上腹部(へその上の部分)をほとんど動かさずに、下腹部だけでの呼吸が可能となります。これが実践できるようになったら、丹田呼吸法の基本は身についたと言えるでしょう。
ポイント2:息を吸うとき、気(エネルギー)を肺ではなく丹田に集めるよう意識します。この技術は、丹田に手を置き、そこに意識を集中させるだけで実現可能です。
ポイント3:息を吐き出すときは、ゆっくりと、細く、静かに行います。口すぼめ呼吸も適しています。無理なく30秒間続けられるように訓練しましょう。
【腹式呼吸上位版】丹田呼吸法に期待される効果
【腹式呼吸の上位版】丹田呼吸法には、腹式呼吸と同等あるいはそれ以上の効果が期待されます。
とにかく落ち着きます。ちなみに『落ち着く』は『気』が落ちて『着く』。「では気はどこに行き着くのですか? それが『丹田』である」と聞いたことがあります。
具体的には、内臓の活性化、メンタルの安定、リラックス効果、ストレスの解消、免疫システムの向上などが挙げられます。
心が乱れることなく、精神が安定し、足元(土台)が安定して力強くなり、上半身は力を抜いて自然な姿勢を保つことができるようになります。
【逆腹式】丹田呼吸法
腹式呼吸では「息を吐きながらお腹を凹ませる」のに対し、逆腹式呼吸では「息を吐くときもお腹を凹ませない」ように行います。言い換えると「息を吐きながらもお腹を膨らませたままに保つ」のが特徴です。この方法は腹圧を上げることで、お腹を引き締めたまま息を吐ききることを目的としています。
【逆腹式】丹田呼吸法の実践方法
① 息をできるだけ長く吐いていきます。このとき下腹部を凹まさず、むしろ膨らませようと意識します。丹田周りが緊張します。
② 息を完全に吐ききった後、お腹を一度リラックスさせます。すると、鼻から自然に息が入ってきます(第一段階)。さらに、息を深く吸い込み、丹田に気を押し込むようにし、下腹部を十分に膨らませます(第二段階)。
これらの手順を3分から10分程度繰り返します。②のあとにクンバカ(止める息)を加えてもいいでしょう。
お腹を凹ませずに息を吐き出すのは、初めは難しいと感じるかもしれません。少しばかりの練習と慣れが必要です。
プラクティス:中指を使う方法
両手の中指の先を合わせ、臍の少し下、丹田の位置に1センチほど押し込みます。他の指は自然に添えておきます。
① 息を吐きながら、下腹部の腹筋を使い、指先を押し返すようにします。
② 息を吸い込むとき、指先が下腹部に押し込まれる感触を感じるようにします。
これらを3分から10分程度繰り返します。
つまり、息を吸う時も吐く時も、指先と下腹部が互いに押し合いながらの緊張状態を保ちます。これを繰り返し行うと、体の底が熱くなるのを感じるかもしれません。これは、丹田にエネルギーが集まってきている証拠です。
【逆腹式】丹田呼吸法の3つのポイント
ポイント1:慣れてきたら、同時に肛門を締めるようにします。これはヨーガで言うムーラ・バンダです。
ポイント2:下腹部以外の部位は力を入れずにリラックスさせること。特に、息を吐き出すときは、肩やみぞおちをリラックスさせるのがポイントです。
ポイント3:下腹部周り全体が膨らんでいるのが理想です。指を当てる場所を移動させてできているか確認しましょう。
【逆腹式】丹田呼吸法に期待される効果
腹圧が高まることにより、体幹の安定性が抜群に向上し、疲れにくくなります。姿勢や動きもより美しく、自然になります。
特に、腰痛の予防、運動やスポーツ時のパフォーマンス向上、発声能力の向上なども期待されます。
3つの丹田とチャクラ
実は3つある丹田
実は丹田は3つあります。下丹田(下腹部)、中丹田(胸の中央部)、そして上丹田(眉間の奥)です。日本においては、「肚」文化とともに下丹田の重要性が強調されすぎた結果、他の二つの丹田があまり注目されなかったのかもしれません。
またヨーガを実践する人にとって気になるのが、丹田とチャクラのことでしょう。これらは、それぞれ中国とインドの異なる伝統から生まれた概念ですが、共通点や関連性が見られます。
チャクラとは?
チャクラとはサンスクリット語で「輪」や「円盤」を意味し、インドのヨーガやアーユルヴェーダなどの伝統において、体内を流れる生命エネルギー(プラーナ)が集中するエネルギーセンターを指します。一般的に知られているのが7つのチャクラで、身体の中央ライン上に位置すると言われています。
丹田とチャクラの関係は?
下丹田(下腹部)は、ムーラダーラ・チャクラやスワディシュターナ・チャクラとの関連性が指摘されることがあり、これらのチャクラは生命力や創造性と関連しているとされます。
中丹田(胸の中央)は、ツボでいうと【壇中】にあたります。心の働き、感情や愛の中心とされ、アナーハタ・チャクラとの関連があるとされます。
上丹田(眉間の奥)は、直感や閃き、高次の認識の中心とされ、アージュニャー・チャクラと関連すると言われています。
丹田とは単に場所を示すだけでなく、修練を通じて生成させるものです。生命エネルギー(気やプラーナ)と意識が丹田やチャクラに集中し、呼吸法や瞑想を通じて、より精妙なエネルギーへと変化していきます。
下丹田で十分に練られたエネルギーは中丹田へと上昇し、その後、上丹田へとさらに上昇します。鍛え方には順番があります。つまり下丹田→中丹田→上丹田の順です。順序を間違えると生命エネルギーを損ないかねますのでご注意ください。
丹田とチャクラは、それぞれ中国、インドと異なる伝統からの概念でありながら、人間の体内エネルギーに関する共通の理解を持っています。実際の体験や実践を通して、これらのエネルギーセンターの効果や意義を深く理解することができるでしょう。
まとめ
丹田呼吸法は、呼吸を通じて身体と精神の健康やバランスを高めるための実践方法として、多くの人々に受け入れられています。私も毎朝のルーティンである気功の実践で、【逆腹式】丹田呼吸法を愛用しています。
このブログ記事を通して、【腹式呼吸の上位版】としての丹田呼吸法や【逆腹式呼吸】としての丹田呼吸法の具体的な方法とその効果、さらに丹田とチャクラの関係性についても解説しました。
また、丹田とチャクラという異なる伝統や文化から生まれた概念が、実は多くの共通点や相互関連性を持っていることも興味深いです。これらのエネルギーセンターを意識し、実践を通じて活用することで、身体や精神の調和を促進し、より豊かな生活を手に入れることができるでしょう。
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